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系統識別號 U0002-1507201401193600
DOI 10.6846/TKU.2014.00476
論文名稱(中文) 村上春樹文學之「我」的分身關係─從初期三部作和《舞‧舞‧舞》著眼─
論文名稱(英文) The ‘alter ego’of Haruki murakami’s literature -applicated at the first three authors and“Dance,Dance,Dance” -
第三語言論文名稱 村上春樹文学における「僕」との分身関係─初期三部作と『ダンス・ダンス・ダンス』から見て─
校院名稱 淡江大學
系所名稱(中文) 日本語文學系碩士班
系所名稱(英文) Department of Japanese
外國學位學校名稱
外國學位學院名稱
外國學位研究所名稱
學年度 102
學期 2
出版年 103
研究生(中文) 謝郁瑩
研究生(英文) Yu-Ying Hsieh
學號 699100268
學位類別 碩士
語言別 日文
第二語言別
口試日期 2014-06-24
論文頁數 153頁
口試委員 指導教授 - 曾秋桂
委員 - 范淑文
委員 - 內田康
關鍵字(中) 村上春樹
分身
自我療養
「我」
初期三部作
《舞‧舞‧舞》
關鍵字(英) Haruki Murakami
alter ego
recuperation
protagonist
first three publication
“Dance, Dance, Dance”
第三語言關鍵字 村上春樹
分身
自己療養
「僕」
初期三部作
『ダンス・ダンス・ダンス』
學科別分類
中文摘要
本論文設定四個課題,探討村上春樹的初期三部作,以及《舞‧舞‧舞》等四部作品當中,主角「我」的分身關係。論文全篇分為四章進行考察。第一章至第三章,分別針對「鼠」、「羊男」、以及五反田,這三人與「我」的分身關係進行分析。第四章則著眼於三人的相互比較與變化。

第一課題以初期三部作為中心,探討「鼠」與「我」自相識開始,到「鼠」自殺為止的關係變化。藉由兩人與家庭關係的分析比較,了解到「我」尋找分身的根本原因,與欠缺親密的親子關係有關。

第二課題則是以「羊男」為研究對象,考察他在《尋羊冒險記》與《舞‧舞‧舞》兩部作品登場時,前後的角色變化,以及成為「我」的分身的過程。藉此得知由「鼠」至「羊男」的分身傳承關係,以及「羊男」扮演的連結功能。

第三課題,分析《舞‧舞‧舞》當中,五反田與「我」的分身關係。五反田為消除自身定位的混亂,而殺害身為「影子」的奇奇。最終仍因為無法脫離封閉的循環,而選擇自殺。「我」因為與五反田的感覺共鳴,而將五反田視為分身。五反田的自殺,象徵「我」與過去封閉的自我分別而向前邁進。

第四課題當中,比較「鼠」、「羊男」與「五反田」三人,和「我」的關係變化可發現,「我」因為與家庭關係並不親密,相當於缺少最初始的分身關係,因此引發後來尋找分身的行動。而最初《聽風的歌》當中,「我」因為喪失感而回顧過去的行為,也成為定型。「我」便是藉由不斷回顧過往,並尋找分身,而確定自己的定位,達到自我變革的最終目的。
英文摘要
In this paper, the first three published novels of Haruki Murakami and “Dance, Dance, Dance” are examined in discussion of four topics under the alter ego of the protagonist. The paper is divided into four chapters, the first three analyses individually the characters of the Rat, the Sheep Man, and Gotanda as they represent the alter ego of the protagonist. The final chapter focuses on the comparison and changes of the three mentioned characters.

The first topic is centred around the first three publications, exploring into the change of relationship between the protagonist and the Rat since the time of the two characters’ meeting until the moment of the Rat’s suicide. Through a comparative analysis of the two characters and their family relations, this paper argues that the base reason why the protagonist searches for an alter ego is related to a lack of a close parental relationship as a child.

The second topic studies the Sheep Man and the change which takes place in this character from A Wild Sheep Chase to Dance, Dance, Dance, as well as the process of his transformation into the alter ego of the protagonist. Through this discussion, this paper will track the transition of the alter ego as it is inherited from the Rat to the Sheep Man, as well as the linkage role the character of the Sheep Man plays between the books.

The third topic analyses the alter ego relationship between Gotanda and the protagonist. In order to eliminate the self-positioning chaos, Gotanda killed Kiki who is “the Shadow”. Failing to escape from the closed circulation, he chose to commit suicide. The protagonist experiences resonance with Gotanda’s feelings and further views him as an alter ego. The suicide of Gotanda symbolizes the separation of the protagonist from his old, closed off self before he moves on.

The fourth topic compares the change of relationships between the Rat, the Sheep Man, and Gotanda to the protagonist. Through this process, this paper finds that the protagonist’s lack of a close relationship with their family results in a failure to manifest an original alter ego relationship, thus causing the protagonist’s pursuit for an alter ego. In Hear the Wind Sing, the protagonist’s reflection on their past behaviour, pursued out of a sense of loss, therefore becomes a model. The protagonist assures his self-positioning through constantly reflecting on the past and the seeking of an alter ego, and through these actions he reaches the final goal of a personal transformation.
第三語言摘要 本論文では、四つの課題を設けて、四章に分けて村上春樹初期三部作と『ダンス・ダンス・ダンス』における、「僕」との分身関係を考察した。第一章から第三章までの内容は、「鼠」、「羊男」と五反田、この三人の分身についての分析である。そして第四章は、この三人と「僕」との関係変化を究めたものである。 第一の課題は、初期三部作を中心に、「僕」と「鼠」は出会ってから、「鼠」が自殺するまでの関係変化についての考察である。二人の家族関係から見れば、「僕」が分身を捜しに行くという行動の原点は、家族との繋がりを欠如していることにあると分かった。 第二の課題は、「羊男」を研究対象とし、『羊をめぐる冒険』と『ダンス・ダンス・ダンス』の中で、彼が登場した場面を比較し、「僕」の分身になった過程についての分析である。その結果によって、「羊男」は「鼠」から分身の位置を継承し、連結の役割を果たし人物だということを明らかにした。 第三の課題は、『ダンス・ダンス・ダンス』における五反田と「僕」との分身関係である。自分の存在についての混乱を解消するために、五反田は自分の影と看做したキキを殺したが、内閉的な円環から脱出できなかったため、自殺するしかなかった。「僕」と付き合うにつれて、「僕」は五反田のことを自分の意識と同化し続ける傾向にあって、自分の分身に位置付けていた。「僕」にとって、分身になった五反田の死には、過去にある内閉的な自分と別れて、前へと進むという意味が含まれる。 第四の課題は、「鼠」、「羊男」と五反田、この三人の比較である。「僕」は最初の分身とする家族から、その要求が満足できないため、分身を捜し始めた。『風の歌を聴け』の中で、過去を繰り返して、分身を捜すという自己療養の構造は、その後、定着することになった。そして、その行動により、「僕」は自分の位置を確認しながら、さらに自己変革を図るようになるという心境変化が見られる。
論文目次
目次

序論 1
一、問題提起 1
二、先行研究 3
三、研究対象及び研究方法 8

第一章 初期三部作における「鼠」と「僕」との分身関係 10
第一節 はじめに 10
第二節 「僕」が「鼠」と出会う前までの境遇 12
(一)「僕」の家族関係 12
(二)「鼠」の家族関係 14
(三)「僕」の自己療養の試み 17
第三節 『風の歌を聴け』における出来事と小指のない女の子 22
(一)特定された19日間 22
(二)19日間における「鼠」と「僕」の物語 26
(三)小指のない女の子の役割 31
第四節 『1973年のピンボール』における異例な1973年 36
(一)異例な書き方 36
(二)「僕」の分身になる「鼠」 38
(三)双子と配電盤 41
第五節 『羊をめぐる冒険』における「鼠」の死 44
(一)耳のモデルの女による導き 44
(二)「羊」の憑依と「鼠」の死亡 47
第六節 おわりに 53

第二章 「羊男」と「僕」との分身関係 56
第一節 はじめに 56
第二節 「羊男」と再会する前の「僕」の自己療養の試し 57
第三節 「羊男」を追跡する旅 63
(一)十二滝町から「鼠」の別荘へ 63
(二)いるかホテルからドルフィンホテルへ 65
第四節 「羊男」の来歴と転換 68
第五節 繋がる円環の旅 72
第六節 「羊男」を感じられたユキとユミヨシ 79
(一)霊媒としてのユキ 79
(二)繋げる役としてのユミヨシ 83
第七節 おわりに 88

第三章 五反田と「僕」との分身関係 91
第一節 はじめに 91
第二節 繫げる役としてのキキ 92
(一)「片思い」による連結 92
(二)キキのいる死の部屋 95
第三節 「僕」と五反田との比較対照 100
(一)社会の適応者について 101
(二)「僕」の分身になる過程 105
第四節 キキを殺すこと及び五反田の死 112
第五節 おわりに 118

第四章 三つの分身の比較 120
第一節 はじめに 120
第二節 分身捜しによる「僕」の自己療養 121
第三節 分身の変化と比較 125
第四節 分身の死による影響 132
第五節 連結としての女たち 138
第六節 おわりに 144

結論 146

テキスト 151

参考文献(年代順) 151

表 目 録
表 1 『風の歌を聴け』における19日の間「僕」と「鼠」との対話	27
表 2 『風の歌を聴け』における「ジョン・F・ケネディー」	32
表 3 「鼠」の物語と「僕」の物語を描写する章節	36
表 4 羊男と再会した後に「繋げる」、「繋がっている」という言葉が出てくる場面	73
表 5 「僕」が五反田のことを考える場面	108


図 目 録
図 1 「鼠」が「僕」と付き合った11年間の出来事	11
図 2 「僕」が『風の歌を聴け』を書いた時期の推定	25
図 3 「鼠」と小指のない女の子の行動時間	35
図 4 「僕」の自己療養を試みる過程	53
図 5 「僕」と「鼠」との関係変化	55
図 6 「羊男」の身分変化	71
図 7 『ダンス・ダンス・ダンス』における二つの円環の旅	78
図 8 『ダンス・ダンス・ダンス』における「僕」の自己療養の旅	89
図 9 「僕」がホノルルで見た6つの死体の図	98
図 10 「僕」と五反田との関係変化	118
図 11 「僕」は過去の経験を繰り返す行動	123
図 12 三つの分身の変化	126
図 13 五反田と「羊男」との関係	131
參考文獻
テキスト
村上春樹(1990)『村上春樹全作品1979─1989①風の歌を聴け・1973年のピンボール』講談社
村上春樹(1990)『村上春樹全作品1979─1989②羊をめぐる冒険』講談社
村上春樹(1991)『村上春樹全作品1979─1989⑦ダンス・ダンス・ダンス』講談社

参考文献(年代順)

Ⅰ 単行本(村上春樹研究関係)
加藤典洋(2006・1996初)『イエローページ1』幻冬社
栗坪良樹・柘植光彦 編(1999)『村上春樹スタディーズ01』若草書房
栗坪良樹・柘植光彦 編(1999)『村上春樹スタディーズ02』若草書房
栗坪良樹・柘植光彦 編(1999)『村上春樹スタディーズ03』若草書房
栗坪良樹・柘植光彦 編(1999)『村上春樹スタディーズ04』若草書房
栗坪良樹・柘植光彦 編(1999)『村上春樹スタディーズ05』若草書房
平野芳信(2011・2001初)『村上春樹と《最初の夫の死ぬ物語》』翰林書房
岩宮恵子(2004)『思春期をめぐる冒険-心理療法と村上春樹の世界』日本評論社
加藤典洋(2006)『イエローページ2』幻冬社
加藤典洋(2006)『村上春樹論集①』若草書房
加藤典洋(2006)『村上春樹論集②』若草書房
清水良典(2006)『村上春樹はくせになる』朝日新聞社
川村湊(2006)『村上春樹をどう読むか』作品社
風丸良彦(2006)『越境する「僕」──村上春樹、翻訳文体と語り手』試論社
黒古一夫(2007)『村上春樹 「喪失」の物語から「転換」の物語へ』勉誠出版
山根由美恵(2007)『村上春樹<物語>の認識システム』若草書房
石原千秋(2009・2007初)『謎とき 村上春樹』光文社
鈴木智之(2009)『村上春樹と物語の条件 『ノルウェイの森』から『ねじまき鳥クロニクル』へ』青弓社
河出書房新社編集部 編(2009)『村上春樹『1Q84』をどう読むか』河出書房新社
小山鉄郎(2010)『村上春樹を読みつくす』講談社
柘植光彦(2010)『村上春樹の秘密 ゼロからわかる作品と人生』アスキー・メディアワークス出版
内田樹(2010)『もういちど村上春樹にご用心』アルテスパブリッシング出版
芳川泰久(2011)『村上春樹とハルキムラカミ──精神分析する作家』ミネルヴァ書房
今井清人(2011)『村上春樹スタディーズ2008-2010』若草書房
日本近代文学会関西支部 編(2011)『村上春樹と小説の現在』和泉書院
柴田勝二(2011)『村上春樹と夏目漱石』祥伝社
清真人(2011)『村上春樹の哲学ワールド──ニーチェ的長編四部作を読む』はるか書房
河合俊雄(2011)『村上春樹の「物語」──夢テキストとして読み解く』新潮社
菅野昭正 編(2012)『村上春樹の読みかた』平凡社

Ⅱ 単行本(心理学関係)
湯浅慎一(1978)『知覚と身体の現象学』太陽出版
新宮一成(1995)『ラカンの精神分析』講談社
アーネスト・S・ウルフ著 安村直己・角田豊訳(2007・2001初)『自己心理学入門』金鋼出版
菅原健介(2008)『自己心理学6 社会心理学へのアプローチ』金子書房

Ⅲ 論文
中村三春(1995)「『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』四部作の世界──円環の損傷と回復」『国文学 解釈と教材の研究3月号 村上春樹──予知する文学』第40巻4号 学燈社
小菅健一(1997)「「風の歌を聴け」論-「僕]をめぐる関係」『山梨英和短期大学紀要』山梨英和大学
荻原桂子(2007)「村上春樹『羊をめぐる冒険』論-残余の自己との出会い」『九州女子大学紀要』第44巻3号 九州女子大学
柴田勝二(2008)「<終わり>の物語-『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とポストモダン批判」『東京外国語大学論集』第77号 東京外国語大学

Ⅳ 雑誌
(1995)『国文学 解釈と教材の研究3月号 村上春樹──予知する文学』第40巻4号 学燈社
(1998)『国文学2月臨時増刊号 ハイパーテクスト・村上春樹』第43巻3号 学燈社
(1999)『ユリイカ臨時増刊号 総特集=村上春樹の世界』青土社
(2000)『ユリイカ 3月臨時増刊号 総特集=村上春樹を読む』青土社

Ⅴ 辞書
三省堂編修所(2006)『大辞林 第三版』三省堂
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